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高瀬川ダム

堤高67m

G/FNW 1982年 岡山県営

 

2016.9.11見学

 

この日、中国地方のダムをいろいろ再訪しつつ、新成羽ダムから鳥取の俣野川ダムに向かう途中に突如現れたのが高瀬川ダムでした。

日没までに俣野川ダムにたどり着きたかった為、駆け足で天端を往復しただけでしたが、全くチェックしていなかったダムの出現にいいもの拾った感がありました。

 

IMGP0561.JPG

 

IMGP0558.JPG

 

 

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旭川ダム

堤高45m
G/FNWP 1954年 岡山県営

2011.4.16見学

十人の侍。


日山ダムの後は、旭川ダムに来ました。
堤高45m、堤頂長は212m。
旭川ダムは、堂々とした佇まいが魅力的な県営ダムです。



県道から脇道に入って、川沿いの道でお近づきになります。
クレストには10門のラジアルゲート。
黒々としたコンクリートの色、質感、まさに男のダムです。

向こうの山に太陽が沈みかけていました。



丸い越流部のマス感、力強いピア、滑らかに下流面に溶け込む扶壁。
昭和のコンクリートダムの魅力をフル装備です。

夕日の逆光を受けるクレストゲート。



再び左岸の県道に戻り、坂道を登ってダムサイトに来ました。
湖畔沿いに広い駐車スペースがあり、周辺にはレジャー客目当ての飲食店や、レンタルボートの桟橋などがあります。

手前には発電用のスクリーン。それとは別に対岸にも取水塔が見えます。



歩いて天端を散策します。
写真左が下流側、貯水池側にはフェンスが張られ、ズラリ巻揚機が並んでいます



フェンス越しに巻揚機。鋳物の重厚感がいいですね。



フェンスがあり眺望は良くないのですが、バンザイショットでフェンスの上から撮影。

ボートの舳先のようなピア先端部です。
この川のずっと上流には湯原ダムがあります。



右岸から観た「舳先」です。
手前のオーバーハング部分のカーブも素敵です。

とにかく、いたる所が昭和の魅力フルスロットルな旭川ダムです。



下流側を見下ろすと、右岸付近はこんな感じで壁に囲われたエリアがありました。
堤体の一番下に何か水没して隠れている感じもしますが、詳細は解りませんでした。



右岸の様子です。
バッチャープラントの躯体が残されています。

水面近くにも、何やら放流口のようなものが見えています。
1972年の水害を契機に、治水・利水能力の向上を図るべく、新しく放流設備が増設されました。
右岸の取水塔で取られた表面水は、堤体直下に掘られた地下トンネルを通って、下流の取水口へ送られます。
工事はダム機能を損なう事なく進められ1984年に完成しています。



右岸沿いにちょっとだけ歩いてみました。
バッチャープラントの遺構の下から撮影しています。

発電所から堤体にかけての滑らかな造形がこれまた趣があります。



岡山県の南北を貫く旭川。
1934年の室戸台風では犠牲者およそ500人、浸水家屋50.000戸という未曽有の水害が発生していました。
これを受け、県は治水を目的とするダム計画を進めましたが、戦争により事業は中断に追い込まれます。
そして戦後間もなく、県百年の計として岡山県の総力を上げて旭川ダムはついに完成します。
それは1954年の事でした。

ちなみに、この年は黒沢明の「七人の侍」が公開された年だそうです。

旭川ダムのクレストゲートは侍の人数よりも少し多いですが、沈む夕日を背に、じっと下流を見つめるゲート達には、流域の県民を守る侍の魂が宿っているようにも見えるのでした。



県民を守る十人の侍。

旭川ダム
★★★★

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日山ダム

堤高25.4m
G/A 1971年 岡山県営

2011.4.16見学


日山ダムは、先ほど訪れた河平ダムの1.5km上流にある灌漑用のコンクリートダムです。河平ダムからは直接向かう道は無く、一度国道484号に出た後、脇道の林道で再び山中へ入ります。

国道からは1km弱ですが、地形に忠実にトレースした狭道は楽しい半分、ドキドキ半分。



目指す日山ダムは、ここまでの林道から、さらに険しい感じの道に入ります。

路面状況が悪そうなので、ここでデミオ号を置いて、後は歩く事にしました。
あとわずか300mくらいだと思いますが念の為熊鈴をつけて向かいます

ちなみにデミオ号の後ろは石材屋さんの資材置き場(?)で、墓石がゴロゴロと、お墓の墓場になっていました。



リンリンと鈴を鳴らして歩くこと少々。
雑木林の向こうに堤体が見えて来ました、日山ダムです。

真っ白な河平ダムと対照的に、真っ黒に日焼けしたした顔が見えました。
竣工は1971年、河平ダムとは親子ほどの年齢差があります。

堤高25.4m、堤頂長78m。
シンプルな洪水吐のいわゆる坊主ダムの仲間ですね。
天端の鋼製の橋が湾曲して見えますが、レンズの歪みではありません。



草木が邪魔をしてよく見えないのですが、シンプルな堤体の下には副ダムも見えます。
また、ダムの下には立派な管理所がありました。



天端の高さまで歩いてきました。
シンプルな天端、入口にはロープが張られています。



堤体の端に沿って巡視用の階段がありますが、こちらも立入禁止でした。
雑木林が邪魔で、ちゃんと見える範囲が狭いです。



冷たそうな山水をたっぷりと湛える貯水池。
クレストゲートぎりぎりまで、めいっぱいの水位でした。

この位置からだと、吐の上の橋が湾曲しているのが良く解りますね。



あぶない!

って、また君か・・・。



こちらは岐阜県瑞浪市の日吉防災ダムの虻内くん。
同じ子かと思ったら、ちょっと違ってました。

全国の自治体からのオーダーで、毎日こればかり描いている業界御用達のイラストレーターがいるのでしょうか???



細い林道の奥にあるひっそりとした日山ダム。
下流に新しく河平ダムが出来て、ますます影が薄くなったのかと言えば、

「まだまだ若いもんには負けんよ」

と、ばかりに、たっぷり水を湛える姿がなんとも頼もしいダムでした。



日山ダム
★★

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河平ダム

堤高38.5m
G/FNW 2005年 岡山県営

2011.4.16見学


鳴滝ダムで珍しい吐にウハウハした後、またもや別の県営コンクリートダムを目指します。次の県営ダムにはどんな個性や驚きがあるのか楽しみです。

河平ダムは2005年完成の真新しいダムです。
青空に白い堤体が映えています。



すぐ下の河川は、飛石が並べてあり、川の中に入って真正面からダムを見る事が出来ました。
でも、なんだこの無愛想な表情は・・・。



めっちゃポーカーフェイス(笑)



真下から観た後は、右岸のダムサイトから見学です。
管理所や駐車場もこちらの右岸にあります。

下から観たまんまのシンプル&ヘルシーな天端。
素材の味そのままです・・・と、言うか、味付け忘れてない?
と、言うくらい薄味の天端です。



ダム本体部分が一番幅広く、上下に長細いダム湖。
午前の曇り空から天気は良くなりましたが風が冷たいです。



天端から下流です。
ダム目的は他の岡山県営ダムに右ならえのFNW。
発電所もないのですっきりしています。



左岸から堤体の横顔です。
クレストは高欄から垂直に落ちて、ぱきっと折れて下流面に。

これ以上単純化できないというくらいシンプルな形状。



さらに、ダム湖側の造形も本当にシンプルです。
こんな感じで。



すっきりとした形の河平ダム。

極限までシンプルなデザインはコスト面の配慮だと思いますが、これだけ単純な造形だと清々しささえ感じますね。



河平ダム
★★

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鳴滝ダム

堤高34m
G/FNW 1981年 岡山県営

2011.4.16見学


国道484から脇道に入り県営の鳴滝ダムを目指します。

鳴滝ダムの周辺は国立吉備青少年自然の家となっていて、ダム湖の周囲には遊歩道が整備されています。

左岸沿いの道を進みます。
途中にパーキングがあり、車を停めます。
ダム本体まではあと数百メートルありますが、これより先は自動車侵入禁止です。
(実際は釣りや地元の車が出入りしていますが・・・)



ダム本体が見えてきました。
記念碑の裏から堤体を覗き見します。

おやっ!?



な、なんだこの青土ちっくな洪水吐は!!

ほとんど予備知識無しに訪れたので、唐突に現れた珍しい仕様にびっくりです。



どたどたと天端を走って真上に来ました。

見事な半円形のシュート式オリフィスゲートです。
水位はぴったりと常時満水位。

いやはやまさか、岡山の県営ダムでこんな物に出くわすとは!。



天端からダム湖の様子です。
幅が狭く見えますが、右岸の中ほどに深い入り江があり、上空から観たらT字の形をしています。

湖の周辺は青少年自然の家の施設が点在し、大きな建物は建設関連の跡地を利用しているのかもしれません。
鳴滝ダムのダム目的はFNWですが、これならレクリエーション(R)も目的に加えてもいいのではないかと思います。



下流側です。
規則正しく並んだフーチングのブロック、スッキリとした印象の下流面です。
例のシュート式オリフィスの吐口は堤体中ほどにあります。

シュート式のオリフィスですが、常時満水位とサーチャージの水位がそれほど離れていない場合に採用されるのかなあ・・・。
なんて事を思いましたが真相は解りませんでした。

下流は自然のままの林になっていて道路等は見えません。
地形図で確認すると下流から向かって100m辺りまでは歩道があるみたいですが、それより近くは難しいみたいです。



天端を渡った右岸は車道は行き止まり。
それより先は遊歩道です。



この規模の県営コンクリートダムは今一つ個性に欠けていて、どれも同じような印象がありますが、鳴滝ダムは珍しい洪水吐を隠し持っていました。

同じ様に見えても個性が無いかどうかは、実際に行ってみないと解りません。
これだからダム巡りは止められませんね。



鳴滝ダム
★★★

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楢井ダム

堤高38.2m
G/FNWI 1996年 岡山県営

2011.4.16見学


成羽川の中国電力3兄弟を見学した後、東に向かって車を進め、岡山自動車道賀陽ICの近くにある岡山県営の楢井ダムに来ました。

国道から脇道に入り、湖畔沿いの道を通ってダムサイトに到着です。
天端の端に石灯篭が出迎えていました。



楢井ダムは、洪水調節の他に、上水道、工業用水などを目的とする多目的ダムです。

県営コンクリートダムと言えばこんな形かな・・・と、いった風貌です。
でも、よく見ると軽くバケットカーブが付いてたり、さりげなく通好みの部分もあります。



堤頂長が100mに満たないコンパクトな堤体ですが、堤高は38.2mと意外とあります。
下流正面から観たら、バランスの取れたV字の美形堤体かもしれませんが、残念ながら下流から観るのはかなり難しそうです。



天端の左岸側から観るダム湖。
湖は三日月形にカーブしているので実際にはもっと奥行きがありますが、コンパクトなダム湖です。



左岸を歩きます。

クレストに2門の非常用洪水吐、センターのオリフィスも自然越流式です。
オリフィスには鳥篭みたいなフェンスが取り付けられて、流木やごみなどか副ダムダムに落ちないようにしてありました。



この楢井ダムで僕が一番いいなと思ったのは右岸にある管理棟です。

レンガ色の普通の住宅のような外壁。
湖畔側には芝生の生えた裏庭があり、コニファーが植えられています。
芝生にテーブル出してお茶するのもいいし、ハンモックを吊るして昼寝とかも。
屋根の上のトンガリ帽子の中には何等かの機械が入っていますが、大きな屋根の咽かな雰囲気はパンダコパンダの家みたいです。

ちょっと本気で住んでみたくなる管理棟なのでした。



楢井ダム
★★

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黒鳥ダム

堤高15.5m
G/P 1968年 中国電力

2011.4.16見学


成羽川に連なる中国電力の3連ダム、一番下流にあるのがこの黒鳥ダムです。

ダム名の由来はダムサイト右岸の地名からだと思いますが、黒ずんだコンクリートと高く突き上げたゲートピアの組み合わせは、黒い水鳥を思わせます。
ダム名を直訳すると、ブラック・バード、でも時事ネタとしては、ブラック・スワンって感じでしょうか?。



堤高は15.5m
コンクリートの堤体は低く、主にゲートが水を堰き止めるタイプのダムです。

自称コンクリーターを名乗って来た僕ですが、なぜかこの種のダムにも強く惹かれるものがあります。
もっと大きなダムは他にもあるし、地味でどちらかと言うとダムっぽくないタイプなのだけど。

何故僕がこのタイプに惹かれるのかを考える為に、この種のダムを訪問して、またよく解らないままズブズブと深みに嵌っている気がします・・・。



天端は散策できるようになっていました。
コンクリート舗装の細い通路、二輪車のみ通行可です。



ゲートピアの注意看板。

「昇るな あぶない」



「あがってはいけない」



「降りるな危ない」



「まぜるな危ない」
・・・・。



えーっと、(汗

天端を渡って左岸に来ました。

このタイプのダムは、ゲートが目線の高さで、比較的間近で眺める事が出来ますね。そういう所がいいのかなあ。

あと、このタイプのゲートピアは、巻揚ワイヤーが天端の上を横断しているのも好きです。天端を歩くとワクワクしませんか?。それと、グリスの匂いも好き。



黒鳥ダムで面白いのは、ゲートピアの壁面にこれでもかという大きな文字でナンバーがふってあります。

写真を撮っていたら向こうからジョギングイベントのランナーが走って来ました。
笑顔がいいですね。
互いに挨拶を交わし、手を振ってすれ違いました。



黒鳥、田原、新成羽川と、およそ2~3キロ於きにダムが連なる成羽川。

下流から、黒鳥ダム。



その上流に田原ダム。



そして新成羽川ダム。



こうやって並べてみると、なんだか生物の進化過程のイラスト(猿から現代人に・・)みたいに見えませんか??。

でも、実は3基とも1968竣工の兄弟ダムなのです。
こう見えて本当は同い年なんだから面白いですね。

黒鳥ダム
★★★


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新成羽川ダム

堤高103m
GA/IP 1968年 中国電力

2011.4.16見学

デザインクオリティ。


昔々、高校の部活は文化系でしたが、とても熱心に打ち込んでいました。
今思うと、高校は部活をする為に通っていた気がします

2年の春、新入生が入部してきました。
女子が沢山入部してきたのですがその中で、田中さんと、畑中さんという子が居ました。
二人とも控えめな性格で、背格好も近く、学校からみた家の方向も同じで、苗字もなんとなく似てたので最初の頃はどっちが田中さんで、どっちが畑中さんなのか区別が付きませんでした。
その後、部活の指導をしながら会話をするうちに、よく似ていたはずの二人は、当然ながら全く違う個性を持っている事が解ってきました。

何故、こんなどうでもいい事を話すかと言うと、ダムに興味を持ち始めた頃、まるでその時の、田中さんと畑中さんのように区別が付かなかったダムがありました。

ひとつは阿武川ダム、そしてもうひとつが新成羽川ダムです。


田原ダムの左岸を上流に向かって車を走らせます。
ほどなく新成羽川ダムに到着しました。

パーキングスペースに車を停めると同時に、堤体が見えるポイントにダッシュ!。

ぐわー!!かっこえーっ!!

大きく広げた美しい両翼。
縦横の継ぎ目ごとに異なる表面の色が翼から生える羽根のよう。

凛とした佇まいは、気品と共に心地よい緊張感を持ち、ピンと張り詰めたオーラが漂います。



クレスト中央に6門の洪水吐。
垂直に切り立った扶壁にはゲートのアームが見えています、ラジアルゲートですね



導流壁に沿って視線を降ろします。
堤体の直下は棚のようになっています。

右岸にガントリークレーンが見えますね、そう、この広大な棚の下には発電所が隠されているのです。

越流面のサーフェースにも注目。
センターが隆起した有機的な形状になっていました。



ちなみに、ダムサイトの駐車場で、一刻も早く車から降りてダムに駆け寄りたいと思うのはダム愛好家の性ですが、車からダッシュで飛び降りる時は、慌てずちゃんと「P」に入れて降りましょう。

以前、ダムが見えて興奮のあまりシフトが「D」のまま飛び降りた事が・・・
・・・2度あります・・・。
慌てて無人の車を追いかけたり、自分の愛車に轢かれそうになりますから、くれぐれもご注意を(汗)。

何故、今回のレポートは関係のない話題でやたら尺を伸ばそうとするかと言うと・・・・。

なんと取水口の工事の都合で通常入れるはずの天端に立ち入る事ができなかったのでしたー。
工事は平成23年の5月10日までとの事なので、現在は天端に入れるのではないかと思います。



仕方ないので、別のアングルを探してパーキングから少し歩いてみましたが、あまり良いポイントは無さそうです。

こりゃ、対岸の右岸に行かねばなるまい。
車に戻り、再び下流の田原ダムまで戻って、今度は対岸の右岸から再アプローチです。



田原ダムからの道中。
田原ダムの湖面から古いレンガ造りの壁が覗いていました。
建物の雰囲気から発電所の遺構に間違いありません。

新成羽川ダムと言うからには、旧成羽川ダムと言うのもあるのでは???
と、勝手に妄想を膨らましていたのですが、実在した(!)旧成羽川発電所はこれとは別に残っているそうで、じゃあ、この遺構はと言うと1902年に運用が開始された笠神発電所ではないかと思います。

成羽川は岡山県で最初に発電所が造られた河川ですが、この笠神発電所こそ岡山県最初の発電所なのだそうです。
また、この発電所へ水を送った取水堰堤も田原ダムの湖底に永久保存されているそうです。



思わぬ遺構の発見にわくわくしながら登ってきました。
視界が開けると、まさに目の前に新成羽川ダムがドーンと構えてこちらに睨みを効かせていました。

蛇に睨まれた蛙のように、ただ立ち尽くして眺めるばかりです。



洪水吐のジャンプ台を兼ねる発電所を内蔵した大きな棚。
群馬の園原ダムも似たレイアウトをしていますが、園原よりも低く構えすっきりとしています。(園原+畑薙第一÷2=新成羽川 ??)

また、壁面はスクリーン状の構造物が並び、どうなっているのか詳細がつかめずミステリアスです。

手前のトンネル状の穴は仮排水でしょうか?。



ほぼ正面からの堤体。
睨みを効かしていた6門のラジアルゲート。

ゲートが小さく見えますが、新成羽川ダムは堤高103m、堤頂長289mの大きなダムです。特に103mの堤高は、重力式アーチダムでは国内1位の高さを誇ります。

事業者は中国電力、ダム目的は発電の他に工業用水にも使われています。



じわじわと坂道を登り、表情の変化を楽しみます。

通常はこちらの右岸からもダムサイトや天端に行く事が出来るはずですが、県道から脇道に入るダムサイトまでの道は中国電力の私道の為、この日は例の工事の都合で通行禁止となっていました。

残念。



堤体の下部に太い水圧鉄管が露出し、滑らかなボディのアクセントとなっています。

コンクリートから突き出した、剥き出しの金属パーツ。
こういう部分もダムの魅力のポイントではないかと。

観ていたら、頭の中が痺れてきました。
ダムジャンキーには毒だね、このカッコよさ。



ずっと以前から観たいと思っていた新成羽川ダム。

重力式の重厚さと、優美なアーチ式の特徴を併せ持つ重力式アーチ。バランスも良く、美しい滑らかなボディ、独創的な発電所のレイアウト。
ひとつのオブジェとして鑑賞しても、この新成羽川ダムのスタイルはかなりの完成度ではないかと思います。

また、どう眺めても、細部に目を凝らしても、装飾的な部分はどこにも存在していません。それなのに、僕の心を鷲づかみにするクオリティの高さはいったい何処から来るのか。

全ての要素はダムの機能に裏打ちされ、一切の無駄も、スキもありません。
このダムを設計された方の高い志と、優れた美的感覚をひしひしと感じるのでした。



新成羽川ダム
★★★★★

ちなみに、もう阿武川ダムとは区別が付きますョ(笑)


おまけ。

新ダムメニューとして開発した「新成羽チャーハン」です。
仕上げにレタスを加えてひと炒め。

熱を通して、しんなりした葉物野菜のレタス入り。
しんなり葉・・・・しんなりは・・・



えっ?

新成羽は、「しんなりは」じゃなくて、「しんなりわ」だってぇ!?

がびちょーん。

おわり。

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田原ダム

堤高41m
G/P 1968年 中国電力

2011.4.16見学


小坂部ダムを観た後、再び河本ダムの正面を通過して県道を南下します。
成羽川を渡る橋まで来ると右手に現れるのが田原ダムです。

成羽川には2~3キロおきに中国電力の3基の発電用ダムが並んでいます。
田原ダムは真ん中のダムで、下流に黒鳥ダム、上流は新成羽川ダムです。



堤高41m、堤頂長206m
コンクリートダムとしては中規模の高さですが、ボトムの長い広大な下流面は、独特の堂々とした佇まいがあり、とても魅力的に見えます。

この田原ダム。
何処かで見覚えありませんか?

どこだっけなーと思っていたら、ダム技術センターのフォトコンテストで最優秀賞の作品が撮影されたダムでした。
http://www.jdec.or.jp/00top/03info/photo_bin/photo_con_awards.html

次回のコンテストの募集を告げるポスターにも写真が使われているので、ダム管理所の掲示物で時々目にしていたダムなのでした。



控えめなグレーのゲートが返って迫力があります。
米空軍の機体色みたい。

ラジアルゲートのアームはNトラスですが、縦軸が等ピッチなので、斜めの鉄骨の角度が徐変して独特の美しさがあります。

越流面のボリューム感、スッキリとした角ばったゲートピア。
甘すぎず、辛すぎず、まさにいい塩梅です。



ダムサイト右岸より田原ダムの横顔。

勾配がややなだらかに見えます、錯覚かな?。
この辺りが堂々と見える要素になっているのかも。



天端は自由の立入できます。

車のタイヤの跡が見えますが、車両通行可なのかは不明です。
もし通行可能だとしても、普通車できりきりの幅です。



ダム本体の付近が最も広く、川幅よりも上下の長さで容量を確保している貯水池。
およそ2.5km上流の新成羽川ダムまで、蛇行しつつもほぼ同じ川幅です。



6門あるクレストゲート。
上下とも金網のフェンスがある為、あまり眺望は良くありません。

ゲートごとに回転灯がついています。
ゲートを開き、放流する時にはくるくる回転したりするのでしょうか?。



フェンスの隙間から撮影。

副ダム的なものは無いみたいですが、ブロックが並んでいます。
越流面の直下にもありますね。



下流側右岸に発電所です。

遊牧民タイプの可愛い丸い建屋です。
内容物が丸い水車なので、発電所の建屋は案外この形がスタンダードなのかも。



下流河川の反対側に制水門のような設備が見えますね。

地形図を観てみると、発電に使った水をそのまま放流せずに下流の黒鳥ダムの貯水池上部までバイパスで通すトンネルがあるみたいです。



継目が放射線状に延びてカッコイイですね。
少し身長が足りませんが、なかなかの男前ダムだと思いました。

次はいよいよ新成羽川ダムに向かいます。



田原ダム
★★★★

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小坂部川ダム

堤高67.2m
G/AP 1954年 農林水産省

2011.4.16見学


河本ダムでのほほんとした後は、新成羽川ダムに行く前に小坂部川ダムに寄り道する事にしました。
下流の町からほんの2~3キロ山に入った場所なので、ダムまで楽勝だと思っていました。

ところが、

集落の外れから、1車線の狭道が断崖の中腹を地形をトレースしながらぐねぐねと・・・。
山の表情は険しく、待避所もほとんどない狭道を、対向車が来ない事を祈りつつひたすら登って行きます。

やがて谷川の木々が途切れ視界が開けました。
小坂部川ダムに到着です。



クレストには3門のラジアルゲート。
飾り気のないグレーの塗装色が返って只者ではない迫力を醸し出しています。



それに、なんという荒々しい肌。
コンクリート表面の渋さ加減はMAXレベルです。



ぐねぐね狭道をフィニッシュしてダムサイトに到着しました。
ここで初めての対向車、今日は運が付いています。

クレストゲートですが、割と最近工事が行われていたみたいです。
オリジナルの扶壁の上に新しいコンクリートが増設されています。

ゲート型式は変更されていないと思いますが、アームの支点部分が下流方向にオフセットしている様です。



ダムの下には発電所がありました。
狭い敷地にびっちりと収まっています。



よく見ると、ダム側の斜面は石張になっていました。

1954年竣工と、戦後組の小坂部川ダムですが、工事の着手は戦前の1940年まで遡ります。
戦中には中断していたのかもしれませんが、14年という工期は当時のダム建設としてはかなり長期だと思います。

この石張りは、工期の最初に造られた古い部分なのかと想像。



ダムの右岸には管理所があり、少々の駐車スペースもあります。
天端は車両進入禁止(渡った対岸は行き止まりです)

プランターが並び、パンジーやチューリップが迎えてくれています。



天端から下流を見ます。
厳しい地形、深い谷の小坂部川です。
工期14年が難工事であった事を思わせます。



急峻な地形で、ダムサイトにもほとんど平坦な場所がありません。
管理所は岩盤の上に懸崖構造のように建てられています。
坂本ダムなどのアーチダムのダムサイトをイメージさせる急峻さです。

時代が時代なら、ひょっとしてアーチ式で造られたかも。



静かな湖畔。
沢山の水を湛えています。

農業用のかんがい用水を目的として、このダムは建設されました。
ダム湖は美穀湖と名付けられています。



ダムの左岸よりに、半円形の古風な外観の取水設備。
網端の張り方に小技が効いています。



対岸の親柱には凝ったデザインの照明が備わっていました。
多分竣工当時からのものだと思います。

農業用のコンクリートダムは、必ず何処かにこんな感じの装飾が施されています。
古いダムの装飾部分には、当時の人々のいろんな思いが詰まっている気がします。



ダム左岸の下流側。
岩盤をくりぬいて倉庫のようになっていました。
(一部はトイレかな?現在は使えません)

建設プラントの跡を利用したものかと思います。



天端から左岸を見上げると、そこにもプラントの遺構が覗いています。

周辺の木々が成長して、朽ちたコンクリートを覆っています。
完成からの長い年月を感じます。



風格ある渋い肌。
小坂部川ダムはオールドダムファン必見の男前ダムでした。



小坂部川ダム
★★★★

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