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吉野谷ダム

堤高20.5m
G/P 1926年 北陸電力

2010.10.某日見学


中宮ダムを訪問した帰り道、石川でもう1基未踏だったダムを思い出しました。北陸電力の吉野谷ダムです。
白山スーパー林道へと続く、国道360沿いにあるはずの吉野谷ダムですが、その道は今迄何度も通っていたのですが、不思議と姿を観た事がありません。

ダムの直下に橋があり、その橋から良く見えると情報を頂き、早速行ってみました。国道の荒谷という信号の所に橋がありました、ここに間違いありません。




橋の上から上流を観ます。

ありました、吉野谷ダムです。
橋の上から観る・・・と、いうよりも、真下を見下ろす感じです。
谷は深く、橋から50mくらいでしょうか?。
国道を走る車からでは見えない事をすぐ理解しました。



堤高20.5m、堤頂長60m。
完成は古く1926年、北陸地方で最も古いダムです。

以前はクレストに2門のローラーゲートを持っていましたが、2001年の大改修でゲートレスの現在の姿になりました。



全面越流の分厚いクレスト部。
左岸に魚道、右岸から河川維持放流。

3段になっている見るからに頑丈そうな下流面は、改修時に打たれたものだと思いますが、ローラーゲート時代でも、良く似た感じで分厚くコンクリートが盛られていた様です。



良く見ると、所々摩耗が進んでいます。
大きな石がどっかり居座っていますが、こんな岩混じりの濁流が、幾度となく襲って来るのかと想像すると、ゾッとしました。
階段状の下流面も、堤体を守る為にこの様な形になったのだと思います。



左岸にあるゲートは排砂ゲートですね。

良く見ると表面には、景観に配慮して石張風の型が使われています。
少し違和感がありますが、改修工事後まだ10年です。
もっと年月が過ぎ、コンクリート表面が汚れて黒ずんで来ると、石積らしい重厚感も出てくると思います。



排砂設備のすぐ脇にあるのは発電所への取水口です。
ダムサイトがタイトで、取水設備が半地下状態で岸と一体化しており、なかなか珍しく、そして面白い構造になっています。



橋の上から上流、左岸の赤いスノーシェッドが国道360です。
5キロほど上流から白山スーパー林道(有料道路)で、尾口第一ダムがあります。

発電所の取水ダムという事もあり、水を並々と湛えているという感じではありません。蒼い水がソーダ水のようで、なんだか美味しそう。



橋から見える視界の一番奥に発電所が見えます。
尾口第一ダムで水を取っている北陸電力の尾口発電所です。



この吉野谷ダムを見下ろす中宮大橋ですが、欄干に山鳥の飾りが取付けてあります。さらに、岸から伸びたつる植物が紅葉し、沢山の実を付けています。

小鳥のモチーフが、熟した実を食べに集まって来たみたいで面白い。



重厚で不思議な形状の吉野谷ダム。

橋の上から観るダムは、ミニチュアの様でもあり、少し不思議な光景でした。

下流の真下に立てば、押し潰されるような大迫力を味わえそうですが、川に降り立つ道も無いようで難しい様です。



吉野谷ダム
★★

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中宮ダム

堤高16.6m
G/P 1935年 北陸電力

2011.10月某日見学

竜宮城の深海魚。


東海・北陸のコンクリートダムは、ほとんど観て来ましたが、それでもなかなか観る事が許されないダムもあります。中宮ダムも、そんな見学困難物件のひとつでした。

白山の山麓、白山国立公園の中にあると言う中宮ダムは、現地までのアクセスは登山道しかなく、しかも、林道入口より立入禁止の為、僕も含め多くのダムファンは、その姿を指を咥えて想像するしか無かったダムでした。

秋真っ盛りの10月下旬、北陸電力様のご厚意で、ついに中宮ダムに行ける事になりました。
いつものダム仲間数人が白山に集結、中宮発電所付近から車で林道に入り、北陸電力様にご案内頂きながら、およそ4kmの巡視路を徒歩で進みます。

切り立った断崖を縫うように続く歩道、谷は遥か眼下にあり、川の音も届いては来ません。クマの出没エリアである事は聞いていましたが、こんな道だとは聞いていませんでした。

途中で白山国立公園の境界を越えました。
それは、人間の日常世界と、手つかずの大自然との境界線です。

道は崖の上に付けられた、人ひとりが歩けるだけの棚でしかありません。
水平歩道で仙人谷ダムを訪問した事のある、ひろ@さん曰く、
「高さが違うだけで、水平歩道と変らない、この道を歩けるなら、仙人谷ダムにも行ける」

高い所が苦手は僕は、とにかく歩くだけで精一杯。
下の写真はだいぶダムが近づいて、谷が近くなってから撮りました(ここまで精一杯で写真撮る余裕なし)

さあ、そろそろ念願の中宮ダムが見えて来るはず。



歩道のカーブを曲ると、川のせせらぎとは違う、盛大な水音が聞こえてきました。道から逸れて、川の方に降りてみます。

それを目の当たりにして、だれもが絶句しました。
目に飛び込んで来たのは、純白のレースのカーテンでした。



堤高16.6m、堤頂長33.2m。
ダムとしては小柄な部類ですが、それでも独特の表情は強いインパクトがあります。



白い越流で隠れていますが、堤体表面はびっしりと石張で覆われています。

石材は石積ダムによく使われる整った間知石ではなく、表面は荒々しく野趣に溢れ、石の大きさや形がやや不揃いの為、目地もまばらな印象。

そして、積み方はスタンダードな布積ではなく、ダムとしては珍しい谷積。
苔生して緑色を感じる谷積の表面は、爬虫類の鱗を思わせ、あたかも川を昇って行く龍を彷彿させます。

1935年という竣工時期も考慮すると、ダムの整形型枠として石を積んだメイソンリーダムではなく、越流水から堤体表面を保護する為に貼り込まれたものだと思います。



それを裏付けるかのように、越流部から立ち上がるピアの表面に石は無く、通常の整形コンクリートとなっていました。

細かいピッチの肉厚なピアは、かつては可動ゲートがあった様にも見えますが、竣工時から現在と同じ姿だと思われます。
この部分の下部に4門の排砂ゲートを持っており、それらの設備を支える為に、この様な頑丈な造りになったものと想像しました。



下部に並ぶ4門の排砂ゲートは、外観上の一番のポイントです。

現代のダムのコンジットゲートのように並ぶ、4門の排砂ゲート。
吐口の幅や高さがバラバラ、向きも微妙に異なっていて、何処となく、成り行きで決まったような不自然さがあります・・・。



そんな事もあり、中宮ダムは、今迄観て来たどのダムとも類似性を持たない、独特の外観と言えます。

現在は北陸電力が管理している中宮ダムですが、戦前に雄谷川電力という電力会社によって造られました。雄谷川電力という会社が、どの様な会社であったかは分かりませんが、当時日本中に乱立していた小規模な発電会社の一つだと思います。

そのイメージがあるのか、改めてダムの外観を観ると、見様見真似で作ったような、何処か素人っぽい未完成な印象を受けます。(あくまで外観の個人的なイメージです、機能や構造には問題ありません)
布積ではなく、谷積である石張りも、在来の日本の石積を応用したものかもしれません。

ダムまでの道は、当時も今と変わらず、今日歩いて来た巡視路のみだったそうです。建設に必要な物資は全て、歩荷による人力で上げられた事でしょうから、独特の外観は、極力少ない資材で建設した結果なのかもしれません。
きっと、野趣あふれる石張も、現地調達で石材を確保した結果ではないかと想像します。

中宮ダムの他とは違う不思議な外観。

その、普段見慣れない感じや、ディテールの一つ一つに疑問を思う感じは、魚類図鑑で深海魚のページをめくった時の驚きに似ています。



しばらく真下から美しくも少し不思議な姿を観賞していましたが、再び巡視路に戻り左岸沿いに登ってみます。

中宮ダムの横顔。
手前に並ぶ頑丈な骨格のようなゲートピア、その向こうは苔生した鱗状の石張。
極端な見方をすればグロテスクという表現もでき、それは深海魚のイメージとリンクします。

巡視路はそのまま、ダムの天端へ通じていました。
もちろん、天端へはご案内下さった北陸電力様の許可を頂いて入らせて頂きました。



天端の左岸には発電所への取水口が一体となって設置されています。
取水設備の鉄筋コンクリートの建屋は、見るからに頑丈な造り。



天端は管理通路というよりも、取水設備や排砂設備そのものといった印象です。
渋い北電カラーが重厚な趣を与えています。



取水設備の上から。
左岸から3番目のひと回り大きな排砂ゲートの部分です。

この水の透明度!。
ずーっと下の方までガラスの様に澄んでいます。



多少の堆砂はあれど、この規模の戦前のダムとしては水深が保たれているように思います。
実はつい先日、排砂放流を行なったばかりだそうで、4門の排砂ゲートが効率よく働いている事が分かります

水の底がよく見えるのは堆砂の為ではなく、恐ろしく水が澄んでいる為です。

澄んだ水は竜宮城への入口でしょうか?不思議なおとぎ話をイメージさせます。

PLフィルターを付けたり、レンズを交換していたら、危うくレンズを落しそうになりました。
もしも、レンズを水に落としたら、水中から女神が現れ、
「あなたの落したレンズは、このDAリミテッドですか?それとも、こちらのDA★ですか?」
と、聞いて来そうです(PENTAXユーザーしか解らない例えですみません)



取水口と排砂設備が並ぶ左岸を過ぎると、右岸側はシンプルな管理橋が渡されています。アングル材の簡単な手摺、歩く路面は木製です。

橋台部分の少し荒れたコンクリートも味わい深く趣があります。



管理橋を渡った先も歩道は続いていましたが、道はいっそう険しくなりました。
少し俯瞰で見える所まで行ってみましたが、危険を感じたので戻る事にしました。



深い谷底にあるので、到着した頃は日陰でしたが、太陽が高くになるにつれて、ダムにも秋の日差しが射してきました。

辺りは手付かずの自然。
産まれたばかりの無垢な水が流れ、耳に届くのはせせらぎと鳥の羽音だけ。

ああ、来て良かった。

案内して下さった北陸電力様、見学の交渉をして誘ってくれた夜雀さん、ダム仲間のみなさんに感謝。
優しい秋の陽光に照らされ、管理橋の木製の床はぽかぽかして来ました。その温かい床の上でまったりしながら、ダム好きでよかったと感じる僕でした。



中宮ダム。
戦前に造られた小さな取水ダムですが、今も休むことなく発電所に水を送り続けています。

こんな山深い地にダムを築いた事にも驚きですが、現在も当時と変わらない険しい歩道を歩いて管理されている事にも、改めて感動を覚えました。

最後は雲一つない秋空の下、金色に輝く白山の紅葉を背景に、流れ落ちる水がいっそう眩しく輝いて見えました。

ずっと行きたくても訪問できなかった中宮ダム。
幻想的な貯水池、龍の鱗のような石張、見慣れない深海魚の様な外観。
見るもの全てが美しく、そして少し不思議な、水と自然の世界でした。

今思うと、本当に行って来たのだろうか?
思い出を振り返ると、竜宮城から戻って来た浦島太郎の心境になるのでした。



霊峰白山の竜宮城。

中宮ダム
★★★★★

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宮田防災ダム

堤高22.1m
E/F 1979年 石川県営

2009.11.7見学



宮田防災ダムは、諸橋ダムとも近く、また、富山湾まで直線距離で2キロの山中にあり、海岸沿いの街を洪水から守っている。

ダム湖側は、コンクリートで遮水されている。
散乱した流木などがこの防災ダムの働きを無言のまま物語る。

ここも、石川県営ダム純正デザインの高欄。



洪水吐の越流部。
山影になるのか、湿り気のあるコンクリート表面は黒ずみが激しい。



ダム下の減勢工は、さらに凄い感じの色になっていた。



宮田防災ダム

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諸橋ダム

堤高35.2m
R/FA 1986年 石川県営

2009.11.7見学



諸橋ダムも、下流面に青々とした雑草を生やしていて、アースダムのような風貌だった。

辺りは人気もなくひっそりとしている。
半円形状の越流部を持つ非常用洪水吐から、長い減勢工が伸びる。



能登半島には高い山がなく、このような小〜中規模のフィルダムが点在している。

諸橋ダム

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寺田川ダム

堤高26.7m
R/AW 2007年 石川県営

2009.11.7見学



寺田川ダムは、2007年竣工の真新しい県営のダムである。
アースダムのようにロックフィルの下流面は草に覆われる。
まだ新しい白いコンクリートと、緑の下草のコントラストが鮮やか。

天端は車両通行可。
ダム湖側の堤体は、整形コンクリートのブロックが敷き詰められている。



越流部から、洪水吐。とてもスタンダードなデザインだった。




寺田川ダム
★★

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小屋ダム

堤高56.5m
R/FNW 1992年 石川県営

2009.11.7見学



小屋ダムは、数多い能登半島のロックフィルダムの中で、比較的規模の大きいダムである。
長い洪水吐から減勢工が長くの伸びた後、副ダムのある減勢池に放流水が流れ落ちる。

堤頂部は舗装され、徒歩で散策できる。
下流側を見下ろすと、庭園や遊具のある美しい公園が整備されている。



晩秋という事もあり、ひとけの無い公園が少し寂しげな小屋ダム。
広い芝生があり、駐車場やトイレなども綺麗に整えられており、きっと夏には多くの人が訪れている事だろう。

駐車場や管理棟のある左岸から、対岸に渡った所にあるモニュメント。
ダムの諸元表が刻まれた側面は、色違いの石材を使ってロックフィルダムの構造を示す力作。
もう少し目立つ場所に設置しても良かったかも。



小屋ダム
★★

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福光ダム

堤高36.5m
R/A 1986年 石川県営

2009.11.7見学

能登半島の山中、小高い丘の上に放牧場があり、その脇に隠れているのが福光ダムである。
形式はロックフィルであるが、下流面は、一面に青々とした下草に覆われる。



半円形の越流式洪水吐。堤頂部は車両通行可。



堤頂部を歩く。なぜか上下面で高欄の仕様が異なる。
下流側の簡素なステンレスパイプの高欄は新しいものに見える、後から追加されたのかもしれない。
上流側のコンクリートの支柱に鋼管の組み合わせは、能登半島のロックフィルに多い仕様だ。



福光ダム

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寺家ダム

堤高35.4m
R/A 1991年 農林水産省

2009.11.7見学

最果て。



寺家ダムは、能登半島の先端に位置する灌漑用のロックフィルダムである。
能登半島のある石川県は、僕の地元である岐阜県のお隣さんであるが、さすがにここまで来るとかなりの距離と時間を要した。

堤頂部は徒歩で散策可能。
ダムから海まで直線距離で2Km弱。東の方角に日本海が見える。



リップラップの斜面はそれほどではないが、堤頂部の脇は雑草が生えつつある。
特に左岸側は周辺の山と同化してしまう勢い。
草に隠れて見えないが、コンクリートの支柱と鉄パイプの高欄がちゃんとあります。



歩いて右岸から左岸まで来ました。越流式の洪水吐。



雰囲気たっぷりのダム湖。
まだ完成して20年に満たないダム湖は、水没した立木が多く残る。



最果てのロックフィル。
寺家ダム




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北河内ダム

堤高47m
G/FNW 2010年 石川県営

2009.11.7見学



北河内ダムは、建設が進む石川県営の多目的ダムである。

県営ダムのスタンダードと言える風貌の堤体は、コンクリートの打設は完了しており、この日は減勢工から下流の工事などが行なわれていた。
右岸のフーチング近くにある監査廊の入口にも何名かの作業員がおられたので、内部の工事も行なわれているように伺えた。

現在、6月の完成を目指して、新しく産まれるダム湖の名称を募集中との事である。

北河内ダム
★★

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八ヶ川ダム

堤高52m
G/FNWI 1994年 石川県営

2009.11.7見学

21世紀を生きる子供たちへの贈り物。



石川県 能登半島にも多くのダムがある。八ヶ川ダムもその一つだ。
堤高は52m、導流壁も立派で、中堅クラスながら迫力もある。

天端は徒歩のみ通行可。
レリーフの刻まれた高欄、取水設備がビルトインされる橋脚部の上にはバルコニーがある。



ダムサイトは管理所のある左岸に公園、対岸の右岸には展望台があり、遊歩道がダムの下を通りその二つを結んでいる。
周辺には住宅は無いが、犬を連れて散歩を楽しむ方や、ウォーキングの方がおられた。

左岸のダム下にダム銘の植栽。



パーキングにある、説明看板。
サブタイトルが率直でとても良いと思った。



八ヶ川ダム
★★★



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