無料ブログ作成サービス JUGEM
田瀬ダム

堤高81.5m
G/FAP 1954年 国交省(東北地方整備局)

2012.07.16見学

東北の名堤。


東北道紫波SAで車中泊をして、遠征三日目は田瀬ダムからスタートです。
花巻ジャンクションから釜石自動車道で東へ、現在の終点となっている東和インターで高速を降りると、数キロで現地に到着です。

霧けむる早朝、遠くに田瀬ダムの堂々とした姿が見えました。

クレストに並ぶ6門のラジアルゲート。
黒々としたコンクリートとグレーのゲート色がそう思わせるのか、九頭竜の鷲ダムを思わせるスッキリとしたクレストです。

IMGP0933.jpg

天端は車で通行可、天端を渡って左岸に管理所、展示施設、パーキングがあります。

雨だれが描くストライプが印象的な上流面。
天端上の突起物が少ないクレスト部、ガントリークレーンは予備ゲートの昇降用だと思います。

北上川総合開発で建設された5大ダムの一翼を担うのがこの田瀬ダムです。
(北上川5大ダム・・・石淵、田瀬、湯田、四十四田、御所の5ダム)

IMGP0661.JPG

田瀬ダムは、戦争による中断をはさみ、1954年に完成しました。

堤高81.5mは当時としてはトップクラスの大型ダムと言えます。当時80mを超える高さのダムは、戦中までに完成していた塚原、三浦、戦後になって、朝日、三面などごく少数派で、初の100m級と言われる丸山ダムは翌年の1955年の竣工です。

IMGP0678.JPG

左岸の小さな公園にはアクリル製の水理実験模型が展示品として余生を送っていました。

多目的ダムとして建設された田瀬ダムは、戦前の設計・着工ながら、既に4門のコンジットゲートを持っています。
(以前、このブログで島根の浜田ダムが重力式で初コンジットと紹介しましたが、間違いでした、ごめんなさい)

しかし、既存のコンジットゲートは全閉、全開の操作しか出来ない為、細かい水量調節には限度があり、また放流能力も不足ぎみであった事から、平成に入り新たな常用放流設備を追加する改良工事が行われました。

この水理実験模型はその追加された放流ゲートの物です。

IMGP0651.JPG

左岸から観るクレスト部、おおきな弧を描くバケットカーブ。

おおーっ!と声が出てしまったのは、樹脂窓がカプセルを思わせる通廊です。
これって、見たことあるぞ!、そうだ、湯田ダムのクレストゲートと同じだ!!。

IMGP0645.JPG

だだだだだと天端を走って近くまで来ました。

厳密には湯田と同じ物ではないけど、ブラウンスモークの窓と鋼板で覆われた通廊は、間違いなく同じダム開発事業で建設された、兄弟ダムの証です。

IMGP0639.JPG

天端から観る田瀬湖
昨日からの曇天もあって、早朝の湖は幻想的な表情です。

北上川5大ダムでは四十四田ダムに続き2番目の流域面積(740k屐砲鮓悗訶沈ゥ瀬燹N域には民話で有名な遠野地方を含んでいます。

河童の泳いだ水も含んでいるのかな〜と、思ったりしました。

IMGP0642.JPG

岸際に目をやると・・・。

あれっ?
また見つけてしまいました、北上川5大ダムの証。

この取水塔は石淵とお揃いなのではないでしょうか??。

IMGP0675.JPG

天端から下流を観ると谷に沿って霧が昇っていました。
自然な森も深く、少しだけ日本の原風景を観るような雰囲気です。

ちなみにダムから集落へ降りる帰り道で、車の前を、だだだーっと、熊が横切りましたー!。
(動物園で飼育されているクマと違って、野生のツキノワグマはパンダみたいに、毛がわっさわさでした)

IMGP0643.JPG

霧の中に佇む黒い壁。
いかにも重力式らしい堂々とした姿。

東北を代表する名堤と言っても差し支えないないでしょう。
そんな田瀬ダムでした。

IMGP0935.jpg

田瀬ダム
★★★★

おまけ。
田瀬ダムの後は湯田ダムに再訪しましたー。

ダークファンタジーな湯田の風貌。やっぱりカッコ良いね〜。
「YUDA」じゃなくて、「JUDA」と呼びたいカッコ良さ。
思わず3時間くらい長居して、この日のスケジュールは完全におじゃんとなりました。

IMGP0682.JPG

この日、湯田の天端でお会しましたダムファンの方。
ダムで出会った人で、初めて「ブログ観てます」と、言われて感激でしたー(苦節三年)

今後は真面目に間違いの無い記事を心がけねばと心に刻みつつ、次の目的地、蔵王ダムへ向かったのですが、「湯田の次は、内の倉に行く〜♪」と、即効で間違えてましたー(笑

と、言う事で次回はHGの蔵王ダムをレポートします。

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
雪谷川ダム

堤高28.4m
G/FA 1977年 岩手県営

2012.07.15見学


下北半島を往復した今日のダム巡り、日没までまだ少しだけ時間があったのでもう1基訪問します。

世増ダムから少し南へ、県境を越え、岩手県営の雪谷川ダムを訪れました。
しかし、残念ながらダムサイトの改修工事中で思った様に近寄る事が出来ません。

IMGP0626.JPG

雪谷川ダムが見れた唯一のアングル。

ゲートレスのシンプルな堤体。
こんな物件を長距離遠征に組み込んじゃう所があつだむ的です(笑)

ダムの図面からは堤高と比較して長い減勢工を持っているようですが、見る事は出来ませんでした。
真っ赤な鉄の管理橋がポイント。

IMGP0608.JPG

橋のたもとには、甘〜い外観の建物。

屋根から突き出した煙突のようなパイプは、スピンドルシャフトのケースかなと思います。
って、事は取水設備の操作室ですよね。

IMGP0615.JPG

その建物の下には太い鉄管が露出しています。
一昔前の炊事手袋ような微妙なグリーン色。

雨に濡れた鉄管をモノクロで撮ってみると・・・。

IMGP0610.JPG

ギーガーもびっくり、見事なエイリアンヘッド。

ダムをモノクロで撮るには、強烈な光線でコントラストが付かないと難しい時もありますが、気になったディテールで試してみると、案外面白い感じに撮れる事があります。

IMGP0619.JPG

雪谷川ダム
★★


| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
石淵ダム

堤高53m
R/FAP 1953年 国土交通省

2009.10.11見学

石の老兵。



日本で最初のロックフィルダム。着工は戦後間もない1945年、竣工は一足先に岐阜県の小渕ダムが1951に完成した為、石淵ダムは着工順としての日本最初のロックフィルとなる。

胆沢ダムの建設現場を後に石淵ダムへ向かう。
既にかなり前から胆沢ダム建設に伴う住民の移転が完了しているのだろう、石淵ダムの周辺は枯ススキのなびく原野の趣がある。

訪問時はオリフィスゲートの工事の為、天端は立入禁止。
ダム湖の水はつい先日の台風18号の影響か茶色く濁る。



石淵ダムは全国でも施工例の少ないコンクリート表面遮水壁型のロックフィルである。
まだ技術の含蓄が多くなかった初期のロックフィルに多い形式と言える。
2008年6月に発生した岩手・宮城県内陸地震により、石淵ダムは堤頂部を中心に被災するが、幸い表面遮水壁には異常は見られなかった。
特徴的な取水塔(以前から使われていない)もダメージを受けたようだ。



左岸の放流ゲート部には雪囲いで覆われた管理通路が開放されており、ゲート部分を下から観ることができる。
中心に2門のオリフィス、左右に2門づつ非常用のゲートを配置。
コンクリートの味わいが半世紀もの歴史を語りかけてくる。


ゲートから下流にかけて幅広のスロープが伸びる。
その後、滝のように一気に減勢池へ放流される。
この形状は東京都の水がめ小河内ダムの洪水吐によく似ている。




今立っている地点がダム下のようにも感じるが、堤高53mのこのダムにとってこの場所は五合目辺りにあたる。

僕がこの歴史あるロックフィルを見学して意外に感じた事は、リップラップが綺麗な整形タイプであった事だ。
荒々しい表情の岩屋、御母衣、九頭竜などを見て育った僕は、整形リップラップはつい最近の工法のイメージを持っていたからだ。これは考えを改めねばならないと思った。

半世紀以上にわたり、流域の安全と生活を支えてきた石淵ダム。
やがて沈み行く老兵は、眼前に築かれつつある自分よりも何倍も大きな胆沢ダムを見てどう考え、何を想うのだろうか。

石淵ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
胆沢ダム

堤高132m
R/FNAWP 2013年 国土交通省

2009.10.11見学

世代を超え受け継ぐもの。



胆沢ダムは、日本で最初に着工されたロックフィルダム 石淵ダムの2km下流に建設中の大規模ロックフィルである。胆沢ダムの完成により、石淵ダムは日本で最も長い歴史に幕を下ろす事となる。

胆沢ダムは完成すると堤高132m、堤頂長さは723mにも及ぶ巨体で、堤体積は徳山ダムに次ぐ日本2位のスケールである。

訪れた2009年10月の時点で、ダム本体の盛土工事はほぼ終了しており、洪水吐や管理棟などの付随する設備工事を中心に工事が行なわれている模様であった。



この先の石淵ダムへ向かう為、胆沢ダムの左岸ダムサイトから上流へ向かう。
胆沢ダムのダムサイトは屋外展望台が完成しており、曜日や時間帯によって既に利用が可能かもしれない。(訪問時は日曜の早朝)

石淵ダムへ向かう道すがら、いずれ沈んでしまうダム湖の底からその巨体を見上げる事が出来る。



非常用洪水吐の越流部を湖底から眺める。
ちょっと不思議な光景。



胆沢ダム、竣工が待ち遠しいダムである。完成したらまた訪れたい。
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
石羽根ダム

堤高20.5m
GF/P 1954年 東北水力地熱(株)

2009.10.11見学

石羽根ダムは湯田ダムの下流にある発電用ダムである。

ダム事業者は東北電力の子会社にあたる東北水力地熱(株)。
水力・地熱による電気卸供給の他、地熱蒸気、熱水の供給を行う会社である。

湯田ダムで夜ダム見学の後、睡眠導入剤代わりのアルコールを求めコンビニへ向かうついで、この石羽根の夜景も観ようと訪れたが、細い農道の先にある石羽根ダムは外灯も無く、只々漆黒の闇が広がるばかりであった。

明けて翌朝、湯田の後に再訪した石羽根ダムは、朝日を受け、高々とゲートピアを銀面に写していた。



昨夜来た道を辿り、再びダムサイトへ。
敷地の入口より先は関係者以外立入禁止。職員が居る時は立ち入れるのかもしれないが未確認である。

手前の左岸寄りに放流設備が並ぶ。
その先の右岸側はコンクリートの堤体の向こうはアースダムになっている様だ。



石羽根ダム




| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
湯田ダム

堤高89.5m
GA/FAP 1964年 国土交通省

2009.10.11見学

コンクリートの宴。


東北遠征2日目は、この湯田ダムからスタートした。
厳密には前日の夜9時にはダムサイトに近い湖畔の道の駅「錦秋湖」に到着しており、その後、夜の湯田ダムを味わった。
星ひとつ無い曇り空は月明かりも無く、高覧の照明が、クレストのゆるやかなアーチを一筆書きに漆黒の闇に描いている。
ゲートや下流面の構造物もすっかり闇の中、ただ減勢池だけが薄ぼんやりと静かに水を湛える。
夜の湯田は何処か不気味で、しかし吸い込まれるような感覚に襲われた。
夜明けが待ち遠しい。


道の駅で一夜を過ごし、早朝から湯田に逢いに行く。

眼前に翼を広げるコンクリートの肉体。湯田は男のダムである。
6門のクレストゲート、複雑なジャンプ台から減勢池までの造形。
力強く、シャープなコンジットの導流壁。重厚に積上げられたフーチング。

それらが重力式アーチ特有の擂鉢状の下流面にパノラマのように散りばめられる。



天端からダム湖を眺める。
数日前に通過した秋台風の為か、湖水は茶色く濁る。
堤体と目の鼻の先に島がある、ちょっと珍しい。



クレストゲート部を側面から。

剥き出しのプーリーは、「射出ポッド」の打ち上げ角度を決める重要な装置だ。
ポッドへの搭乗口もSF感溢れる。メカニック・デザインは大友克洋。

妄想はさておき、ラジアルゲートの支点部分がアンカーボルトのようなものでコンクリートに固定されているように見えるのだが、どうなのだろうか。



造形的な見所に溢れる湯田ダム。
しばし時の経つのを忘れ夢中でシャッターを切った。






湯田ダム
コンクリートで造られた肉体の宴。
★★★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
御所ダム

堤高52.5m
GF/FNWP 1981年 国土交通省

2009.10.10見学

空のように広くゆるやかに。



御所ダムはとてもスケールの大きいGF形式のダムだった。

右岸のダム湖側よりファーストコンタクト。クレストのラジアルゲートと交互にオリフィスのコースターゲートが隙間なく配置される。
左岸に見えるレンガ色の建物が管理所である。



右岸の下流側に降りてみた。
放流設備が並ぶ下流面は迫力溢れるもので逞しい。
重力式コンクリート部分は右岸のこの放流部分のみで、そこから左岸にかけ長く広くロックフィルが伸びる。導流壁にはロックフィルの断面形状が浮かぶ。
下流の河川はコンクリート部分と同じ広い幅でゆったりと流れてゆく。

堤頂部は徒歩で散策できるのだが、立入方向が限定され、右岸からは立ち入れないようだ。
一旦車で左岸の管理所へ向かう。

左岸のダムサイトの近くにファミリー向けの遊園地がある。家族連れのミニバンと数台すれ違う。



小高いところにある管理所から眺望する御所ダム。
堤体はゆったりとして、高いというより、広いという印象。
こちらからは堤頂部へ立ち入れるようなので、のんびりと散策するとしよう。



ロックフィル部分は左岸にかけて下流に向けて大きく、そして広くロック材が敷き詰められる。

和やかで気持ちの良い御所ダムでした。

御所ダム
★★★


| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
綱取ダム

堤高59m
G/FNW 1982年 岩手県営

2009.10.10見学

ウタゴエダム。



綱取ダムは、盛岡市郊外の県営コンクリートダムである。
スッキリとした天端を持つ堤体は、自然越流式の県営ダムによくある感じだが、越流部分の傾斜が他と少し違うように見える。

両岸に小さな公園があるダムサイト、2車線の天端は交通量もそこそこある。
四角いモダン建築風のコンジットゲート室、首筋のリブはゲート室への階段だろうか。





緻密に設計され丁寧に施工された感のコンクリートの肌が心地よい。さすが間組。

天端を歩くと左岸の小さな公園から、ボンゴとバンジョーの音が聞えてきた。

品川祐と、サバンナ高橋似の二人組。民族楽器を奏で歌うナンバーは高田渡の「朝日楼」。
渋いじゃねーか、若者よ。いいチョイスだぜ。

綱取ダム
★★






| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
岩洞ダム

堤高40m
R/AP 1960年 農林水産省

2009.10.10見学

Crash OREO.



外山ダムから国道455号をさらに東へ向かうと美しい湖畔の先に岩洞ダムの堤体が見えて来る。
竣工は1960年、ロックフィルダムの中では古株であり、傾斜コアである事も特徴の一つである。
荒削りのロック材は黒々とした岩石で、砕いたOREOのようにも見える。

堤頂部は立入禁止。
対岸の左岸に洪水吐があるはずだが、此方からは遠くてよく見えない。

下流側を拝見すると、高さ40mの堤体は4段の段差が付けられている。各段の平面には下草が生え、犬走りのようになっていた。



ダム湖100選にも選ばれている岩洞湖は、外山早坂高原県立自然公園となっている。
広い秋空の下、複雑に入り組んだ岸辺と高原の木々が美しい。



岩洞ダム
★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
外山ダム

堤高33m
G/P 1943年 東北電力

2009.10.10見学

ピーターの足音が聞える。



外山ダムは今回の東北遠征で、必ず訪れたかったダムの一つである。
四十四田ダムを後に、小本街道(国道455号)を東へ走る。
落葉舞うワインディングを飛ばすのはとても気持ちが良い。

国道の橋と平行するように外山ダムが現れた。
橋からダム本体が近く、18mmでは画角に収まらない。



右岸側、左岸側、どちらもダムサイトまでは行けるが天端は立入禁止。
写真右の赤い橋が国道455号。
堤体の規模の割りに奥行きもあり広い湖面には、始まりかけの紅葉が映える。

再び国道の橋へ戻る。
堤体に内包される放流設備の膨らみが愛らしい。
管理歩道のステップの下草の質感や色味が絵本の挿絵のよう。

いまにも小さなピーターラビットが、鼻をくんくんさせながら飛び出してきそうだ。



ダム本体左岸には余水吐。
ゆるやかなカーブを描く越琉部から美しく白い水のカーテンが輝いている。
大胆にも堤体がアーチ橋のようにくり貫かれ、放流路が貫通する。

クレストゲートの無いシンプルな堤体は、表面の表情も淡い絵の具で描かれたようで、夢で見たような不思議な余水吐を持った外山ダムは、絵本の世界を覗く気分にさせてくれる。



外山ダム
★★★

| あつだむ宣言!(清水篤) | ダム岩手県 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |