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間瀬湖

堤高27.5m
G/A 1936年 埼玉県営

2009.9.5見学

傘の花咲く。



間瀬湖は重力式コンクリートダムでなりながら、名称にダムが付かないちょっと変わったダムである。
歴史は古く戦前の竣工。
農業用の古いコンクリートダムとしては滋賀県の犬上川ダムが思い浮かぶが、間瀬湖は犬上川ダムよりも10年早い1936年の竣工である。

当時としても非常にモダーンであったに違いない洒落た取水設備が見える。



天端は自動車でも通行可。
この時代のダムで天端がこれだけ広いのは珍しいが、クレストゲートが自然越流式だから出来た事だろう。
左岸寄りの洪水吐の真上はグレーチングとなっており、吐きの越琉部がシースルーとなっている。
グレーチングを起こせば越琉部の上に降り立つ事も出来るみたいで、ここから漂流物の除去などを行うのかもしれない。

間瀬湖のクレストは、高覧の装飾が素晴しい。
神戸の山田池、上田池ダム、犬上川ダム右岸のフェンスなど、装飾の施されたディティールは古い灌漑用コンクリートダムに共通するもので、完成当時、ダムが住民にどれほど待望されていたのかを物語るものであり、人々の喜びを現しているように感じる。

天端から湖面を眺める。



間瀬湖はヘラブナ釣りが盛んで、特にボートから銀鱗を狙うへら師で賑う。
湖面に咲く傘の花。

違うアングルで傘と堤体を抑えようと湖畔に移動したが、丁度時刻が午後3時を回り、ボート屋の定めた納竿時間となった様だ。カメラを構えた頃にはすっかり傘の花は畳まれてしまった。



ダムの下流面は左岸の道から降りる事が出来る。



下から見上げる間瀬湖。洪水吐のゲート部分は交互に扶壁が並ぶ複雑な造りとなっている。
また、導流壁も複雑なカーブを描き凝った形を見せる。
高さ30m程であるが、ずっしりと重みを感じる堤体である。



ふと、メタリックブルーの美しい鳥が横切った。
カワセミを見たのは産まれて初めての様な気がする。

間瀬湖
★★★★

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合角ダム

堤高60.9m
G/FNW 2001年 埼玉県営

2009.8.6見学

がっかくしかじが。



合角ダムは埼玉県営の多目的ダムである。
ダム湖の名前は西秩父桃湖。
二瀬(秩父湖)、浦山(秩父さくら湖)、滝沢(奥秩父もみじ湖)と共に、秩父4ダムロマンの一基である。

よく整備されたパーキングに車を停める。県営ダムであるが展示施設もあり充実した見学が出来る。
ダムカードの配布の横に記帳簿があったので、思わず「あつダム宣言!参上」と記帳。すいません、初めて埼玉まで来たのでつい浮かれてしまいましたー。

ダム下の道から真正面を望む。天端が少し華奢に見える為か、何処となくロボットぽいメカニカルな表情が面白い。

堤体の中心に口を開けているオリフィスゲート、本日は越流中。
その上のクレストはよくある全面自然越流の非常用洪水吐に見えるが、良く見ると中心の2門だけ両端よりもレベルが低い。実は低い2門は非洪水期のオリフィスとなっている様だ。

天端を歩く。ダム湖の向こうから巡視艇が帰ってきた。
はじめて動いているインクラインを見学する事が出来た。ちょっと得した気分。



合角ダム
★★

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浦山ダム

堤高156m
G/FNWP 1999年 水資源機構

2009.8.6見学

ダム魔人。



滝沢ダム、二瀬ダムより下流へ10キロ弱、堤高156mを誇る巨大コンクリートダムは、あっけないほど市街地の近くにその巨体を降ろしていた。

RCD工法のどっしりとした堤体はクレストのアーチ橋を模した装飾が特徴。
和風とも洋風ともつかない無国籍な感じは、あえて当てはめるならオリエンタル調か。
このアーチだが天端の隅を下から支えているが、ダム本体の構造には無関係の様だ。建設中の本体コンクリート打設完了時の写真を観ると、まだアーチ橋は施工されていない。



ダムサイトからダム湖側を望む。なんとこちらにも同じ装飾が施されていた。
写真奥の左岸側の黒いパイプは出水後の濁水対策として、にごりが早く晴れる6キロ上流から水を送る清水バイパスである。

アーチ橋に支えられる増幅分もあり天端は他にない広さ。見学者も多く家族連れなどで賑う。
堤体内エレベータが開放されており自由に使う事も出来る。
また、左岸のフーチングも開放されているので、フーチングで下まで階段を降りて、帰りはエレベータで上がる事にした。

フーチングを下りながら時々振り返って巨体を見上げる。ベストの角度を探しながらダムを楽しむと、程なくダム真下の減勢工の脇に到着。こちらにもパーキングがあるので、エレベータで上がった後、フーチングで帰るルートでも楽しめるだろう。
B1階のエレベータの脇にはガラス貼りのプラムライン。実物を見るのは初めてだったのでとても嬉しい。

実は、フーチングで降りてみた感じで、何故だか堤高156mとしては少し物足りないと思った。
確かに背の高いダムであるが、奥只見や佐久間の様な他を圧倒する迫力を感じないのだ。何故だろう。
エレベータに乗ってある事に気がついた。
堤高156mの内、かなりの高さが、深い減勢工や基礎地盤までの深さに費やされているのかもしれない。



オリエンタルな風貌を持つ身長156mの巨人。
多くの見学者が訪れる広い天端はフライングカーペット。
それは秩父のダム魔人。

浦山ダム
★★★★


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滝沢ダム

堤高132m
G/FNWP 2007 水資源機構

2009.8.6見学

スターゲイト。



二瀬ダムを後に滝沢ダムを目指す、今まで幾度となくパソコンの画面で眺めていたループ橋と近未来的な白い巨体。
ついにその実物が僕の眼前に姿を表わした。

このループ橋は美しいだけではなく、環境に付加を加えない為の配慮でもある。
2本に分かれるループ橋の中間にパーキングがある、車を停めダム手前の橋から滝沢ダムの真正面を眺める。



日吉ダムなどのビジュアル系コンクリートダムを造って来た水資源機構の最新作がこの滝沢ダムである。
スッキリとしたシャープな表情は、132mの長身と左右対称のシルエットを最大限に活かしたグッドデザインと言えよう。
明らかに観られる事を意識したデザインだが、お城に見立てるなどのファンシー路線とは一線を画しておりとても魅力的だと思う。

再びループ橋を登り、ダムサイト左岸の広いパーキングに車を入れる。目の前は堤体のダム湖側だ。



真正面の恰好良さにも引けをとらないスタイリッシュなダム湖側。
水位が低かったこともあり、RCD工法の傾斜がなんともCOOL!



ゲート部分のクローズアップ。
建築デザインよりも、何処か工業デザインの匂いを感じる。存在そのものが巨大な機能部品とも言えるダムならではのテイストだろう。
大きなゲート室もデザイン上の要素なのかもしれない。

ダム本体が計算されたデザインであるなら、こちらは偶然が生んだデザインか?
滝沢ダムの湖畔は至る所にコンクリート補強が貼られ、こちらも愛好家にはたまらない魅力に溢れる。



美しいループ橋、そびえ立つシャープな堤体はSFの世界。
ゲート(門)の先にあるものは湖水か、それとも遥かなる宇宙か?。
直ぐ隣に腰を据える二瀬ダムを抜いて、一気に秩父のスターダムに駆け上がる。

滝沢ダム
★★★★



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二瀬ダム

堤高95m
GA/FNP 1961年 国土交通省

2009.8.6見学

昭和生まれ秩父育ち。



山梨県営の広瀬ダムを後に雁坂トンネルを経て埼玉県に入る。
そのまま国道を道なりに走ると滝沢ダムの奥秩父もみじ湖であるが、滝沢ダムとのファーストコンタクトは、ダム正面(下流面)からと考え、まずは南側の秩父湖を経て二瀬ダムと対面する。

二瀬ダムは、福井の鷲ダムに衝撃を受け、GAこそ最も美しいダム形式と思っている僕にとって憧れのダムである。堤高95mは、新成羽川ダムに続に、阿武川ダムと並ぶGA形式2位。

2門ずつ、間隔をあけ左右対称に配置されるクレストのラジアルゲートは、天端のダム湖側に背負う形で配置され、下流面からの飛び出しは少ない。
導流壁もシンメトリーであるが、ジャンプ台には斜めの傾斜が付けられ、だまし絵の様に少し人を不安にさせる複雑な造形を魅せる。
この1対のジャンプ台には秘密があり、右岸には利水放流用のハウエルバンガーバルブが、左岸のジャンプ台の中には発電設備を隠し持っている。

また、中心の巨大なボックスの中には高圧ラジアルゲートが二門。
この国内初であった高圧ラジアルゲートは戦艦大和などを建造した呉造船所が当時の技術を結集して造ったものだという。



天端の左岸にはダム管理所。アーチ式のダムは敷地が限られているケースが多く、時々魅力的な管理所の建物に出会う事が出来る。この二瀬もその一つだ。
国土交通省のダムらしく、掲げられた国旗が気分である。
狭い敷地には信号機が取り付けられ、天端の通行は信号機により交互に規制されるが、意外と交通量があり天端の散策には注意が必要だ。

見学時は管理所付近の道路や散策路が工事中だった。いずれこの味のある管理所の風景も様変わりしてしまうかもしれない。

二瀬ダムは周囲を平成生まれの個性的なダムに囲まれるが、
「俺に比べりゃまだまだヒヨッ子よ」と、言わんばかりに、堂々と胸を張っている用に思えた。

二瀬ダム
★★★★

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