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西山ダム

堤高40.6m
G/P 1957年 山梨県営

2012.9.1見学


荒川ダムの赤いリップラップに驚いた後、中部横断自動車道でワープして、西山ダムの前に雨畑ダムに向かいます。
雨畑ダムはかれこれ3年前に一度訪れましたが、河原を遡ってアーチダムの真下に向かうつもりが、運悪くクレスト放流が始まってしまい、結局下流側は見れずじまいになっていました。

三年ぶりの雨畑ダムですが、以前はダム下流200m辺りから川原に降りる事が出来たのですが、道が完全に崩落していて、またもや諦めざるを得ませんでした。(立入禁止となっています)
崩落個所は日本軽金属の私道と思われ、ダム管理上でも必要なさそうな道なので、おそらく雨畑ダムの下流面は今後永久に観れなくなったのではと思います・・・。

と、言う事で前回も眺めた上流からの眺望スポットより。
下流面を見る事が出来ず残念でしたが、今回はそれとは別にチェックしたいポイントがありました。

IMGP1268.JPG

アーチの左岸に寄せて配置されたクレストゲート、前回訪問時はフラップが下り放流(越流)していたので、ゲート自体を見る事が出来なかったのですが、実は雨畑ダムのこのゲートはかなり特殊な物なのです。

普通のフラッシュボードかと思えば、実は起伏堰とラバーダムのハイブリットとして個人的に注目している「SR堰」をこっそり採用していたのです。
雨畑のSR堰は径間7m、高さ1.4m程、2004年に施工されています。

アーチダムのクレストゲートの上にラバーダム(SR堰)、ううん、なんて素敵なんだ雨畑ダム!。

IMGP1272.JPG

テンションも上がって来たので、雨畑ダムの下流面が見えないか、周辺を探検しました。

ダムサイト左岸のトンネルの手前から山の上に登っていく狭い舗装道路があります。
どうやら山の上に戸屋と言う集落がある様です(私道なのか、ナビや地図には道が載っていません)

えいや!と気合を入れて坂道をぐんぐん登ります。
舗装はされていますが、すれ違い不可能な狭路は、かなりの急斜面&急カーブ。

冷や汗をかきながら登るとこんな景色が見えました。
右下に雨畑ダムの湖面、アーチダムの右岸端がちょこっとだけ見えました。
遠くにはダム上流の雨畑の集落まで見えます。

IMGP1278.JPG

坂道をぐんぐん登ったご褒美。

今後、これが唯一見る事が出来る雨畑ダムの下流面となるのかもしれません。

IMGP1274.JPG

さてさて、だいぶ道草をしましたが、雨畑から県道を20〜30kmほど走ると目的の西山ダムに到着です。

竣工は1957年、県営の発電ダムです。
蒼い湖水がファンタスティックなダム湖は、奈良田湖と呼ばれています。

IMGP1295.JPG

西山ダムは南アルプスの玄関口である奈良田という場所にあります。
これより上流はマイカー規制があり、上流の小樺ダム等で行くにはバスを利用する事になります。

南アルプスの険しい山脈、沢からの土砂の流入も多く、ダム湖は浅くなっているようです。
(それでも水がすごく蒼い!)

IMGP1298.JPG

歩いてダムサイトに来ました、天端は立入禁止です。
対岸に見えるのは発電所の取水口です、ダム水路式の西山発電所は、3〜4km下流にあります。

IMGP1290.JPG

ダム湖の左岸にも発電所があります。
奈良田第三発電所です。

IMGP1299.JPG

ダム付近の湖畔には、こんな感じで釣り人が竿を出していました。
置き竿ですが鯉釣りではないみたいです、かと言って渓流魚狙いとも思えず・・・。

帰宅後調べてみると、漁協が奈良田湖にニジマスを放流している事が分かりました。置き竿でニジマス、変った釣りがあるもんです。

IMGP1297.JPG

ダム本体から下流100mに橋が架かっています、徒歩移動で行ってみました。

堤高40.6m、若草色の3門のローラーゲート。
それほど大きな堤体ではありませんが、重厚な趣きがあります。

ダム下の減勢工の部分は改修されているのかコンクリートが新しい感じです。
副ダム風に据え付けてある、手前のブロックも後から配置した物のようです。

IMGP1302.JPG

岩のような表情の下流面、放流でだいぶ痛めつけられているようです。
右岸寄りの最下部が少し欠けているようにも見えます。

下流面は削られゴツゴツしていますが、滑らかな三次曲面の導流壁は、本来はとても丁寧に施工された綺麗なコンクリートダムであった事を偲ばせます。

IMGP1311.JPG

堤体の細部を観察すると、クレスト右岸側に四角い穴が空いています。
どうもこれも洪水吐らしく、貯水量が多い時は頻繁にここから水が出ているらしいです。

非常用洪水吐の一種かなと思いますが珍しいゲートです。

IMGP1317.JPG

そのゲートを上流から。
四角い穴が空いています、一応、スライドゲートがある風にも見えます。

IMGP1318.JPG

南アルプスの麓、蒼い湖水を湛えた岩のようなコンクリートダムがありました。
最後は真正面からパチリ。

IMGP1308.JPG

西山ダム
★★★★


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荒川ダム

堤高88m
R/FNW 1985年 山梨県営

2012.9.1見学

赤いロックフィル。


最近はコンクリートダムばかり訪問しているので、たまにはロックフィルもいいかな。なんて思いながら塩川ダムからさらに東へ、荒川ダムは山梨県営の多目的ダムです。

久しぶりのロックフィルですが、正直かなり油断していました。
まさか、荒川ダムがあんな堤体だったとは知る由もありません。

ダムへ続く坂の途中から、荒川ダムとファーストコンタクト。

!!!!!!

なんだこりゃー!
思わずデミオ号急停車。

IMGP1242.JPG

驚いたのはリップラップの色でした。
赤い!赤いんです!

IMGP1245.JPG

今まで観たカラー系のリップラップは、白い南相木ダム、黒い九頭竜ダム、それに黄色い二居ダムなどがありますが、ついに赤色のリップラップを発見です。

勿論、真っ赤と言うよりはテラコッタに近い色味ですが、それでも十分に赤いです。なんとなく紫色も混じっている少し不思議な赤なのです。

IMGP1243.JPG

坂の途中では駐車できないのでダムサイト右岸に登って来ました。

湖畔に駐車場、その脇に名物ほうとうなんかが食べれるいい感じの飲食店なんかがあります。(でも、時間と予算の都合で結局、車中常備のカロリーメイトで昼食・・・)

右岸からの荒川ダム。
堤高88m、堤頂長320m、ダム目的は洪水調節+河川維持&水道用水。

IMGP1234.JPG

天端まで来ました。
ダム管理所は対岸の左岸にあります。

天端はアスファルト舗装ですが、一般車両は進入禁止となっています。
対岸には管理所しかありませんから、当然と言えば当然かも、管理所の郵便受けなんかは此処にあります。

IMGP1248.JPG

車両はダメですが徒歩なら問題ありません。

天端から下流の風景、山脈が凄く険しいですね。
下流のすぐ近くは有名な景勝地 昇仙峡です。

堤体の真下に車道が見えますが、管理用の道路で通行する事は出来ません。

IMGP1250.JPG

下流面に伸びる管理用の階段。
ダム管理って体力仕事ですよね・・・。

IMGP1264.JPG

天端の両脇は手摺やチェーンなども無くスッキリ&見晴良好。
左岸にある取水塔もよく見えます。

さっきの塩川ダムでも出会ったのですが、関東エリアのダムを訪れるとダムファンらしき人をよく見かけます。
関西や他のエリアでダム好きらしき人に出会う事ほとんど無いのですが、関東エリアに来るとダム巡りが趣味として定着しつつある事を実感します。

IMGP1261.JPG

そんな事を感じつつ、300mほど歩いて左岸に到着。

バスタブ&スロープの非常用洪水吐。
壁が高くて見応えもあります。

IMGP1259.JPG

その近くには定礎石と並び、水神様が祀られていました。
後ろの立派な建物がダム管理所です、ダムカードは此方で貰えます。

IMGP1257.JPG

とにかくリップラップの赤い色で驚いた荒川ダム。
今は表面が乾いていますが、雨で濡れたりするともっと鮮明な色になるのかなと思います。

今まで、白、黒、黄色、赤と見つけたので次は緑色かな?
いやいや、そりゃーよくあるアースダムじゃないの??

なんて独りツッコミしなから後にする荒川ダムでした。

IMGP1265.JPG

荒川ダム
★★★★



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塩川ダム

堤高79m
G/FNAW 1997年 山梨県営

2012.9.1見学


この日は朝一に山梨の大門ダムを再訪、じっくり写真を撮った後、まだ観ていない山梨県営のダムを訪れる事にしました。

塩川ダムは大門ダムから東へ5kmの位置にありますが、山を大きく迂回するので、道程としてはおよそ15kmといった距離です。

右岸にあるパーキングからの眺め。
手前に重力式コンクリートダムの塩川ダム、左岸奥には左岸遮水工と呼ばれる部分があります。

IMGP1202.JPG

自然調節のクレストゲートが並ぶ塩川ダムの堤体。
堤高79m、堤頂長225m。

塩川ダムの目的は洪水調節に加え、河川維持、灌漑用水、水道用水など。
また、これらの利水放流を利用した県営の発電所も持っています。

IMGP1205.JPG

望遠レンズで観る左岸遮水工。

左岸鞍部の地質が水を透しやすいものであった為、上部を傾斜コアを持つロックフィルで覆い、河床堆積物などで特に水を透してしまう下部は地中深くまで連続地中壁によって遮水されています。
ロックフィル部分だけでも堤高は48.9m、堤頂長399mもあり、とても堂々とした堤体です。
しかし、鞍部地形の遮水が目的で、河川を堰き止めるものではない為かダムとは名乗っていません。

塩川ダムのホームページを見てみると、重力式コンクリートダムの堤体と、左岸遮水工の二つを合わせ、塩川ダムと呼んでいるようです。

IMGP1203.JPG

管理所でダムカードを頂き、歩いて天端に向かいます。
左岸はトンネルに通じていて、交通量もそこそこあります。

IMGP1206.JPG

スッキリとした少し辛口の外観です。
堤体中央には3門のオリフィスがスリット状に開いています。

IMGP1207.JPG

天端から下流を観ます。
ダム下に道がありますが、立入禁止で下から見上げる事は出来ません。

塩川ダムでは平日であれば見学を受け入れていますから(要予約)、予約すればダム下も入れるはずです。

映り込んでいるピカピカのパイプは手摺ではなくて配管ダクトです。

IMGP1214.JPG

立派な御影石の親柱、「塩川源橋」と刻まれていました。
ダムの天端ですが、橋として名前が付けられています。

IMGP1217.JPG

コンクリートダムの塩川ダム本体を観た後、車で移動して左岸遮水工に来ました。

ロックフィルの下流側は元々の地形に合わせ埋立てあるので、下流面に相当する部分を見る事は出来ません。
その代り、埋立てた上部は公園が整備されビジターセンターなどがあります。

IMGP1230.JPG

左岸遮水工の上流面、普通に整形タイプのロックフィルです。
安全面からリップラップ内は立入禁止です。

湖面の奥には付替え道路として架けられた鹿鳴峡大橋が見えます。

IMGP1233.JPG


ダムの周辺はよく整備され、静かな湖面も美しく、とても心地よい塩川ダムでした。

塩川ダム
★★★



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勝沼堰堤

堤高19.4m
砂防堰堤 1917年 山梨県

2011.7.17見学

天然と人工のハイブリット。


大野ダムからの帰り道、以前から気になっていた砂防堰堤に立ち寄ってみました。

1915年着工、1917年に完成した勝沼堰堤は、1997年に登録有形文化財に登録された由緒ある砂防堰堤です。

堰堤の周辺は、文化財指定を契機に綺麗に整備されています。
駐車場の上から観た勝沼堰堤の全景、一目観ただけでは、どの様な堰堤なのか解りません。



案内看板にあった平面図です。

図面上が上流、勝沼堰堤は、川が「くの字」に蛇行した場所に造られました。

蛇行点を石積堰堤で締切り、左岸の岩盤を掘削して水通しを造り、河道を変更して川の流れをスムーズに改良しています。
堰堤は上流に本堤、下流に副堤の2基から成り、その間は盛土で埋立てられています。




下流側から観る勝沼堰堤(副堤)です。

空積の堰堤表面。
石の形状や大きさはまちまちですが、きっちりと目地が詰まっていてとても滑らかです。最近の改修によるものかと思ったのですが、どうも大正時代の当初からの石積の様です。

完成の6年後に、直下の発電所建設に伴う残土処理や、堰堤上が葡萄畑に転用される(!)等で、堤体は平成の発掘調査まで長らく埋まっていた時期があり、それにより当時の石積が地中に保存される事になった様です。

この副堤の基礎部と、上流の本堤基礎部にはコンクリートが使用されており、当時としては画期的な構造であったそうです。



副堤と本堤の間の埋立部です。
表面は石貼ですが、内部は盛土となっています。

埋立部の上に木道が敷かれていて、堰堤上を散策できる様になっています。
この道の向こうに本堤があります。



本堤を右岸から、写真左が上流です。
本堤も副堤と同じで空積ですが、モリモリとした目地止めが施されています。

堤高19.4mと、かなり高い堰堤のはずですが、土砂が堆積していて、高さは感じられません。
堤頂部に積まれている2列の石の山は、最近追加された物の様です。



本堤の上を左岸方向に進むと、祇園滝と命名されている水通しを観る事が出来ます。
ざあざあと勢いよく水が砕ける音が聞こえてきます。



そこから正面に見えるのは、中央道自動車です。
場所さえ覚えれば、登り線を走りながらチラッとだけ観る事もできます。



堰堤から上流はわんさと川の中まで木々が茂っています。
右岸の国道との間には、堰堤のすぐ横まで葡萄畑が広がっています。



祇園滝(水通し)は真近で観れるように歩道が造られています。

白く輝く水のカーテン、辺りは水の粒子が舞い上がり、清涼感に溢れていました。
とても立派な滝なので、こちらが勝沼堰堤の本体と間違えられる事も多いそうです。



一見すると天然の滝としか思えない姿ですが、岩盤表面を観察すると人為的に削られて造られた滝である事が解ります。



水通しの上部を観ると、人工の構造物である事がはっきりと解ります。
頂上は石貼で補強が施されています。



もっと面白いのは、削られた岩盤の途中から、湧き出る様に水が出ている所です。

これは漏水している訳ではなく、岩盤の途中に通水穴を設け、上から落ちてくる水に穴からの水をぶつける事で減勢を狙ったものだそうです。



2基の石積堰堤と埋立部から成る特徴ある本体。天然の岩盤を掘削して造られた水通し。

100年近く前に建設された古い砂防堰堤ですが、自然の地形と人工の建造物を上手い具合に折り合いをつけた、画期的な構造だと思います。

中央道、勝沼ICからほんの2〜3分とアクセスも良いので、ぶらっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?



勝沼堰堤
★★★

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大野ダム

堤高37.3m
E/P 1914年 東京電力

2011.7.17見学


三保ダムの後は、山梨県に入り上野原市にある東京電力の発電用アースダム、大野ダムにやって来ました。

アースダムで発電専用という、ちょっと珍しい大野ダム、実は数少ない国指定重要文化財という名堤でもあります。
ダム本体の他に、制水門と余水路の合計3施設が八ッ沢発電所施設として指定を受けています。

ちなみにダム及び堰堤等で国指定の重文となっているのは、この八ッ沢発電所施設の他に、

・大湊堰堤
・藤倉堰堤
・丸沼ダム
・白岩砂防堰堤
・舞鶴旧鎮守府水道施設(桂取水堰堤・岸谷ダム・・等)
・布引水源地水道施設(布引五本松ダム・分水堰堤・締切堰堤・・等)
・旧美歎水源地水道施設(貯水池堰堤・・等)
・本庄水源地堰堤
・豊稔池堰堤
・白水堰堤

などとなっています。



ダムサイト左岸はパーキングと小さな公園になっています。
地元の小学生がわいわいと遊んでいました。



大野ダムの完成は古く、1914年まで遡ります。

堤高は37.3mもあり、当時としてはかなり高いダムだったと言えます。
事実、千苅ダムが出来るまで、高さ日本一のタイトルホルダーでもありました。

一番高いダムがアースダムだったなんて、なんとも時代を感じさせます。



堤体正面を見ると、摂綿篤(注1)で表面が覆われていました。
水面近くの黒い部分は、瀝青(注2)のようにも見えますが、よく解りません。

注1)セメント 注2)アスファルト
古いダムなので、漢字で書いてみました。



堤頂部は歩いて入る事が出来ます。

何段も犬走りがある堤体は、整った綺麗な正面形状をしています。
直下に平地がありますが、堤体は平地の下も続いていると思われます。



面白いのは、下流面に無数に並ぶ白い箱。
漏水計だそうです。

古いダムだけど、東京電力さんできっちり管理されています。



落ち着いた雰囲気の貯水池。
深夜から早朝にかけて水を貯め、昼間にその水を使い発電を行っています。
八ッ沢発電所は、竣工当時、東洋一の規模を誇っていました。



貯水池左岸に発電所への取水設備も見えます。



堤頂部を右岸まで歩くと、堤体の端っこに遊歩道があり、真下の平地に降りる事ができました。
下には休憩用のベンチもあります。

綺麗に草が刈られた下流面。
刈り払い機で刈られた草が茶色く枯れて、ストライプ状の模様に見えました。



この大野ダムを訪れて面白いなと思ったのは、ダム周辺の集落です。

周辺は、少し田舎の何処にでもある風景なのですが、ダムサイト左岸に酒屋さんやたばこ屋などの商店が密集していました。

ひょっとして、ダム建設に携わった労働者相手の商売から始まったお店だとしたら面白いですよね。



先程、堤頂部から観ていた取水設備に来ました。
施設周辺はフェンスに囲まれ、あまりよく見る事は出来ませんでした。



大正時代に造られた古い貯水池は、自然の池のような穏やか表情。

でも、取水口付近に浮かぶ鴨艦隊は、泳ぐ勢いほど前進していません・・・。
案外、強い勢いで取水中だったのカモ?。



大野ダム
★★

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琴川ダム

堤高64m
G/FNWP 2007年 山梨県営

2009.8.6見学

メロディは霧の彼方。



琴川ダムは2007年に竣工したばかりの新しい山梨県営のダムである。
天端の標高は1464m、これは多目的ダムの中では国内で最も高いとされている。

ダムへのアクセスは甲州市街から県道206の塩原窪平線〜焼山林道か、県道210の柳原塩原線〜クリスタルラインの2ルートあるがいずれも急な峠道である。
今回行きと帰りで違う道を使ったが、多少210号(ダム建設時に整備された事もあり)の方が道が良いかもしれない。

ダムに到着する前から大粒の雨が降り出した。
周辺は深い森に囲まれ、湖畔の公園の緑が眩しい。これで晴れていたら新しい堤体は白く輝き木々の緑に映えていたと思うと、少々残念だ。

シンプルな自然越流式の吐きを持つ堤体はL字の減勢工が特徴。
クレストの建物の三角屋根が可愛らしい感じだが、周辺の環境にも似合っていて悪い気はしない。

標高が高いので、険しい山中にあっても周辺の山々は相対的に低く、牧歌的な風情に心が和む。
雨に霞むダム湖も美しく、湖畔には遊歩道が整備されているのでいつかまた天気の良い時に訪れてみたくなる。

天端から望むダム湖の風景。
網端の通し方が尋常じゃない面白さ。この林の中にも遊歩道がある。



琴川ダム。
富士川水系「笛吹川」の支流「琴川」に造られる、隣の谷は「鼓川」。
誰が付けたか知らないが、随分と粋な河川名なのである。

★★★

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広瀬ダム

堤高75m
R/FAWP 1974年 山梨県営

2009.8.6見学

秩父ダムエリアの玄関口



国道140を埼玉県方面へ北上すると、突如切り立った洪水吐が見えて来る。
山梨県営の多目的ダム、広瀬ダムである。

ダム本体はロックフィル、洪水吐は右岸側の少し離れた所にあり、右岸には公園が整備されている。

左岸のパーキングに駐車してロックフィルの堤頂部を歩く。
実はこのパーキングやトイレ等も堤体のロック材の上に作られているようだ。
そこからダム湖側にある取水塔まで堤体が変形した形になっている。



ロック材は比較的小さめ、未整形タイプの表面には所々雑草が生える。
堤体の真下には発電所があり、グランドが広がっている。

堤頂部は舗装はされているが、一般の車両は進入禁止。管理棟はダム本体を渡った右岸側にある。
放流設備はガッチリしたピアに大型のローラーゲートが2門。それと平行して自然越流式の吐が並ぶ。

この広瀬ダムを過ぎ雁坂トンネルを越えると滝沢ダム、二瀬ダム、浦山ダムが待ち構えている。

広瀬ダム
★★

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葛野川ダム

堤高105.2m
G/P 1999年 東京電力

2009.7.18見学

テプコの秘密要塞。


地点登録したカーナビを頼りに葛野川ダムを目指す。目的地まであと500m。
目指す堤体は目の前のはずなのに、いっこうにその姿を見せないばかりか、ダムの気配すらない。

道なりに峠道を登ると、トンネルに入る・・・が、トンネルの中程にフェンスが立ちふさがり、行止りになっている。どういう事だ?

だがその横を見るとトンネルは途中で分岐、この奥に東京電力 葛野川ダムがあるらしい。



少し不気味な鋼のゲートの奥には真っ暗なトンネルが続く・・・。
だが、入口に光電センサーがあり、自動で照明が点灯して行く手を照らしてくれた。やるな東電。

東京電力の粋な演出にワクワクしなながら慎重に車を進めると、あまりにも唐突すぎるダムとの遭遇があった。
このトンネルはダムへの唯一のアクセスでもあるのだか、トンネル出口から一直線に天端が伸びており、かなり面食らう。

トンネルはダムへの道でもあるが、岩盤へのグラウチングもこのトンネルから施されたのかもしれない。



壁面のパネルは太陽電池。ダム施設の電力に使われる。さすが東電。

100mを超える立派な堤体は発電ダムらしい無駄の無いシャープなもの。

金属製の高覧には、上に手摺りが追加で嵩上げされており、元々は一般開放の予定が無かった様なニュアンス。

さすが100mクラスだけあって、フーチングの階段も実に見応えあるものだ。

この葛野川ダムは上流の上日川ダムとの間で揚水発電を行っている。
その有効落差714mは世界最大クラス。葛野川発電所は地下500mに建設されている。



発電所の規模も然る事ながら100m超えの巨大コンクリートダムが、道中の峠道から気配も見せず、行止りのトンネルを分岐、ゲートをくぐった先に唐突に現れるという、あまりにもドラスティックな出現に驚きと興奮をおぼえる物件である。

まさに秘密の要塞。

この様な施設を立入禁止にせず、自由に見学者に開放するという東京電力も、やるね〜っと思った。

葛野川ダム
★★★


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深城ダム

堤高87m
G/FNW 2004年 山梨県営

2009.7.18見学

シオジの森の新しい番人。



深城ダムは逆三角形のボディが逞しい新鋭ダムである。
全体のシルエットや導流壁のゴツさなど、同じく山梨県営である大門ダムに近いものを感じる。

クレストの自然越流の洪水吐がまとまりなく散らばっていたり、導流壁も左右非対称で散漫な印象。
美観と言う面では少し残念だが、それがダムの価値を左右する訳でないし、温和な表情になりがちな全面自然越流式の堤体としては、何処かメカニカルで緊張感のある表情とも感じられる。

特徴的なのは、訪問時も白く水を放流していたオリフィスで、上下に2段構えの放流口をゲートが上下する事によって、1門のローラーゲートで洪水期、非洪水期のオリフィスを使い分けている。



高い壁の減勢工は、越流部が階段状の副ダムで堰き止められる。
副ダム脇のコンクリートも同じく階段状なので、施工のし易さ等のメリットがあるのかも。
水流の減速と、流れる水の美しさを両立した良い例なのではないでしょうか。

深城ダム
★★★


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上来沢川ダム

堤高19m
G/P 1927年 東京電力

2009.5.9見学

静かな森に潜むサイクロピアン。



上来沢川ダムは小武川沿いの林道の先にある。
小武川には沢山の砂防堰堤が見られ、林道のアップダウンは少ないものの、地形の険しさを感じる。

ダムは小武川から外れた谷川にあり、林道から脇道にそれた所でゲートがある為、そこから先は徒歩で向う。

念の為、熊鈴を鳴らし歩くこと10数分、上来沢川ダムが見えてきた。

1920年代のダムらしく堤体は石張り。堤体全体がとても白いのが印象的だ
つい最近、改修工事が行われた模様で、ダム中心の越流部の頂上は真新しいコンクリートが貼られピカピカと輝くほどだ。
石張りのコンクリート目地も綺麗にされ、80年以上前の竣工当初を想像させる。

越流部両端の導流壁は直線的で単純な形であるが、丁寧に石貼りがされ、型枠整形のコンクリートダムとは違った趣がある。

ダム下流は谷川まで降りて、真下から堤体を見上げる事もできる。
越流部の石張りのスロープは、滑らかに減勢工のたたきとつながる。

また、右岸の苔生し方が素晴しく情緒にあるれる。
後になって感じた事であるが、堤体の肌の仕様は異なるものの、愛知県の馬ヶ城ダムに何処かしら近い雰囲気を持つダムであった。

上来沢川ダム
★★

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